風鳴舎

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発達障がい?特別支援教育って何だろう?[第3話]

どんな行動にも理由がある

心が身体を支配しているのか、身体が心を支配しているのか、どちらなんだろう?と思うことがあります。

ピョンピョン跳びはねる子、クルクル回っている子、頭を叩く子、突然走り出す子、手をヒラヒラさせながら見ている子、耳を塞いでいる子、唾を吐く子、寝ころんで泣きさけぶ子・・・・

「あれっ」と思ういろいろな行動を見ていて思うのは、前後の関係から原因が推測できる行動と推測できない行動があることです。しかし、どんな行動にも理由があるはずです。私が未熟だから推測できないだけなのでしょう。

歯医者に行って麻酔をした時、その部分が麻痺して気持ちが悪く舌でそこを触ります。それと同じで、感覚が何となくおかしい時、その部分に刺激を入れようとします。ピョンピョン飛び跳ねる、クルクル回る等の行動は、重力に対しての気持ち悪さ(重力不安)があるのかも知れません。頭を叩くのも気持ち悪さがあるため刺激を入れたいのかも知れませんし、何か意に沿わないこと、嫌なことがあったための意志表示かも知れません。耳を塞ぐのは嫌な音が聞こえたからでしょうか?それは突然の音だったのか、ある音域の音なのか、どんな音に対して耳を塞いだのでしょう?唾を吐く、寝ころんで泣きさけぶのは、どんな時なのでしょう?嫌なことを強いられた時?ある特定の人に対して?何かの活動の前?

理由があるからその行動が成り立っているはずです。

普通学級で、ある生徒が授業中に立ち歩いて先生から注意を受けます。その行動が継続している場合、授業中に立ち歩くという行動には意味があります。授業が分からない、面白くない、ということもあるでしょう。注意された後には、先生にかまってもらえた、みんなが笑ってくれた、結果として分からない授業が中断したという様々なご褒美が待っているのでしょう。
行動の前後を考えることで説明がつきそうな場合は、前後の条件を変えることで、その行動を変えることができる場合があります。具体物を操作する活動を増やして、分かる、面白い授業にする、座っている時に先生が注目したり褒めたりすることで、座っているようになるかも知れません。また、集中力が続かないのでれば、配布係にして30分経ったらプリントを配ってもらうようにすると、それまでは我慢できるかも知れません。
行動の背景にある理由や原因に注目すると、接し方はおのずと決まってきます。背景が大切なのですが、それを知るのが難しいのです。最近、PDCAサイクル(Plan:計画を立てる、Do:実行する、Check:評価する、Action:改善する)という言葉が教育の中でも使われますが、計画するためのアセスメントが難しいのです。この言葉は元々、生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進めるための手法として提唱された考え方ですから教育にはあまり向かないと私は思っています。

行動の背景にある原因や要因を知ることに時間をかけるべきです。

そして、今やっている活動は何故行っているのか説明できなければなりません。ずっと以前、参観日にある保護者からいわれた言葉があります。

「先生、うちの子は何故ビーズ通しをしているのですか?」

その問いに対して、何かしらの答えをしましたが、自信をもって答えたかというと心許ない気持ちでした。こんなことではいけない、と反省しました。「何故ならば・・・、そして、この活動が将来のどこに結びつくのか・・・」今やっていることの説明と見通しについて自信をもって答えられるようにならなければならないと思いました。

行動の背景にあるものに目を向けて活動を組むことは大変難しいですが、とても大切なことです。保護者や教師が知恵を絞り出さなくてはなりません。共同して子ども達を健やかに育てていきたいものです。

保護者の皆さんは、学校の先生方に「何故、この活動をしているのですか?」と聞いてみてください。
その質問は、きっと先生方をドキッとさせ、「このままではいけない」と思わせることでしょう。そして、その後にこうも付け加えてもらいたのです。

「一緒にがんばっていきましょうね」

2016.7.16 更新

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