風鳴舎

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発達障がい?特別支援教育って何だろう?[第4話]

祖父母が「障がい」を受け入れる日

祖父母が孫の「障がい」を受け入れることがなかなかできない、ということがあります。
「育て方が悪い」「きちんとさせないからだ」などと親を責めます。「そんなこと言ったって」と言いたくなります。親だって自分の苦しさをわかってもらえない辛さは大変なものです。

特別支援学校に通う生徒本人が、祖父母から「あんな学校に行って」と言われて「うるさい」と喧嘩してしまった例もあります。

受け入れる、ということは自分の価値観とのせめぎ合いです。価値観とは育ってきた環境の中で培われます。つまり生きてきた証のようなものですから、受け入れるのは自分の人生を否定するような気持ちになります。「障がい」があるということに対する強いマイナスイメージの中で育ってきたのです。孫は可愛いけど、自分も可愛い、その間で板挟みになっている状態です。

本や講演会などで特性を理解する機会や現在の情勢について事実を知ることは大切ですし、第三者から事実を知らされることには説得力があります。「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)も施行されました。しかし、分かっても感情的に納得できるかどうかは別です。

受け入れには時間がかかります。ゆっくり、氷がとけるように気持ちはかわっていきます。

氷がとけるには周囲の温度が氷よりもあたたかいこと、とけて水になっても大丈夫なのは、受け止める器があるからです。

氷の方から「とけてもいいかな」と思えるようにならなければ変わりません。

どのようなきっかけで変わるのか「これだ」ということは言えませんが、山あり谷ありで変わっていきます。人は皆、必死で変わらない努力をしています(A・アドラー)が、変わるために必要な勇気をもてるかどうかが問われるのです。

肝心なのは、診断を受け入れることではなく、接し方に留意することがある、ということを受け入れることです。この場面ではこういう接し方をすれば良い、ということを具体的に伝えるのです。そういう接し方ではダメ、と言うだけでは伝わりません。どうすれば良いのか、ということを伝えるようにしましょう。孫にやさしい祖父母、可愛がってくれる祖父母、好ましい場面を見つけて「ありがたい」という気持ちを伝えてみるのも、かわるきっかけになるかも知れません。

親の「障がい」受容の過程は以下のようにすすむという説があります。

1 ショック、2 否認、3 悲しみと怒り、4 適応、5 再起

祖父母の場合も、自分の気持ちに折り合いをつけながら少しづつすすむと良いのですが、受け入れることができない場合も多々あるでしょう。

祖父母に理解してもらうのには時間がかかります。まず、自分が折れないように支えてくれる人を見つけましょう。身近にいる夫は最大の理解者であってほしいです。その他、友達、学校の先生、教育センター、自閉症協会、発達障害者支援相談センター、地域生活支援センターなど、探せば幾つもあります。

相談者を求める力をつけましょう。

辛い時には辛いと言える人を見つけるのです。

また、自分の中の根っこが枯れてしまわないように、好きなことをしましょう。音楽を聞く、ドラマを観る、ショッピング、フラワーアレンジメントやガーデニング、トールペイント、サークル活動、ピアノ、何もしないでボーッとする、寝る・・・何でも良い、心の栄養になりそうなことをやってみるのです。ここで辛くても、それだけが自分じゃないという実感を味わうと生きていけます。折れずにぼつぼつ・・・いきましょう。

2016.7.16 更新

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