“愛されること”探しから逃れられない時代を生きる華やかで孤独な“わたし”の物語
「大人になることの難しさが生み出す宝石」_Vogue
「一度読み出したらとまらない。私が読んだ中でも ザ・ベストに値する一冊」_USA today
少女が大人になるというテーマを綴った古典ともいうべき著は、今も色あせない。
この本は、大人になることの難しさに直面しているティーンエイジャーを惹きつけるだけでなく、
今を生きる多くの大人の共感も呼ぶだろう_Publishers weekly
「親の本棚でこの本を見つけてから、何度も読んでいる馴染みの本。
この本の内容は、始末におえない事ばかりだけれど、
私、人生ってこんなもんだと思うの」_ジャネット・フィンチ(米国ベストセラー作家)
あらすじ
主人公コートニーの母親は映画監督と浮き名を流すハリウッド女優で、父親はニューヨーク出版界では有名な編集者。
「チョコレートで朝食を」(原題:Chocolates for Breakfast)は、十六歳の美少女コートニーが、ハリウッドとニューヨークの上流階級を舞台に、ちょっと背伸びした恋愛模様や友情、親との葛藤、徹夜で飲み明かすセレブなパーティーという日々の中で大人になっていくストーリー。そして最後にはセンセーショナルな結末が・・・。
解説
十代の女の子が大人の世界に足を踏み入れ始める特別な数年間には、時代を超える普遍性と魅力があります。
十代の女の子たちの酒とパーティーの日々、ゲイやバイセクシュアルの男たち、アルコール依存、躁鬱病といった(当時は)タブーだった内容を(その頃としては)大胆に描き出した小説は、著者が現役の女子大生だった話題性もあって一大センセーションを巻き起こしました。それはJ・D・サリンジャーが「ライ麦畑でつかまえて」を出した5年後、フランスでフランソワーズ・サガンが「悲しみよこんにちは」でデビューした2年後のことで、ムーアは「サリンジャーの女の子版」「アメリカ版サガン」ともてはやされました。その文体は今読んでも非常にみずみずしく、十代を過ぎた大人たちにもティーンエイジャーの頃の感性を思い起こさせ蘇らせるものです。
どこにも所属せずに生きることの難しさや、親からの愛情をもっと受けたいと思いつつもそれを表現できないもどかしさ、クールに生きつつ実は常に無自覚的に愛情を求め彷徨う様など、読み手の受け止め方によって様々なトピックを読み取ることのできる魅力的なストーリー展開と人物設定、会話、表現が繰り広げられます。
本書は1956年に出版、ミリオンセラーとなり、世界11カ国で発売され世界中を席巻しました。
それから50年。サガンやサリンジャーの本は現代の古典として読み継がれていますが、著者パメラは26歳の若さで自殺し、それまでに「チョコレートで朝食を」を超える作品を書くこともありませんでした。本書は絶版になり、パメラ・ムーアの名前もすっかり忘れ去られていましたが、彼女が亡くなったとき9ヶ月の赤ん坊で、彼女が拳銃で頭を撃った隣の部屋ですやすや眠っていたというパメラの一人息子ケビンがこの度、復刻版を刊行、本書はこの復刻版による現代語訳で編集されました。
フォロワー320万人超
SNS時代のカリスマモデルizu(出岡美咲)による「あとがき」
フォロワー数320万人超を誇り、SNSで話題沸騰中のモデル、izu(出岡美咲)が「あとがき」を執筆。
“冒頭から告白します”に始まる、みずみずしくも力強い文章は彼女のファンならずとも一読の価値あり。
自分のティーンエイジャーだった頃のことから母親のこと、今、この本をどう読むか、といった気づきを与えてくれる文章を寄せています。もともと女流作家の本が大好きという彼女。本書は面白くて息つく暇もなく、いっきに読んでしまったとか。タレントブログランキングで常に上位の彼女は、TBSテレビ『ラスト・キス』(11月17日放送)出演等でも話題沸騰中。今、最も注目される女性タレントであるizuが、本書の巻末に心揺さぶる「あとがき」を書いています。