【概要】
保育所、認知症デイホーム、地域の寄り合い所、3つの機能を合わせ持つ施設「また明日」。外では要介護老人・幼児と呼ばれる人々が、自らの意思で助け合うこの家。本書では、施設の中での生活の1ページひとつひとつを追いながら、これからの時代に必要な『共に生きられる社会』を探っていきます。
介護施設職員の対応問題、保育園の待機児童問題。
『守られている人々の面倒をどう見るのか』に、沢山の人が頭を悩ませている時代。しかし、この「また明日」という施設では、全く逆の発想で人々が暮らしています。外では要介護老人と呼ばれるお年寄りが、ここでは子どもの世話に混ざり、家では保護者に守られる子どもが、ここではお年寄りのことを気遣います。
施設で、何かをやるように指示をするということはありません。みんな自発的に、周りを助けているのです。
お年寄りは、周りに小さい子どもがいれば、世話をしてあげたくなる。
子どもは、歩くのが大変そうなお年寄りがいれば、手を引いてあげたくなる。
『誰かを助けたい』という気持ちは、人が誰しも持っている、自然な感情です。
そして助け合う関係のなかでは、肩書きは意味を持たず、ただひとりの人として生きられる環境が生まれるのです。
本の中では、写真付きで、「また明日」での生活の一場面一場面を追いながら、お年寄りや子どもたちの心の動きを感じとることができます。さらに、そこから学び取れるヒントや、東大名誉教授の汐見稔幸先生(保育・教育学)と森田眞希さん(「また明日」代表)の対談も収録。また明日での生活をヒントに、これからの社会に必要な共生の関係について考えていきます。
「また明日」特設サイト:https://fuumeisha.co.jp/pages/mata-asita/